全国学力テストが延期に ~学びとは何か?~
学びとは何か?
新型コロナウイルスの感染拡大で様々なイベントが延期・中止となっているが、小中学校の一斉休校を受けて、4月16日に予定していた全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の延期が決まった。
全国学力テストは学力や学習状況を調査するために全国約3万の小中学校で基本、国語と算数・数学の試験を毎年、実施している。
中学校の先生に聞いたが、教職員は一斉休校中も出勤しているそうだ。一斉休校が続くのか、いつ再開するのか不透明なことだらけの中、先生たちも不安だろう。卒業式をどうするかのみならず、入学式・新学期をどうするのか。先生たちは大変だ。
私は、この機会に是非とも先生たちに問いたいことがある。
学びとは何か?
学校が休校になった。新学期からは、オンラインで授業を行えば済む話なのだろうか? 仮に小中学校で行っている学びが「テストで100点を取ること、正解を求めること」であるのだとすれば、オンラインでカバーできることが殆どだ。科目毎、学年毎に文科省が授業のビデオを作成すれば解決だ。
しかしながら、毎朝当たり前のように生徒が登校してきて、一日の殆どの時間を学校で過ごすこと自体に学びはないのだろうか?
全力学力テストからわかる学力、学習状況は学びの一部分を計量化したものに過ぎない。
授業で様々な科目を学ぶのは当然だが、友人との会話、関わり、学校・クラスでの係、課外活動、先生との会話、学校行事への取り組み、学校の近隣の大人達との関わり、などから学ぶことは多いはずだ。
かけっこが早い。絵が上手だ。算数が得意だ。理科の実験が得意だ。歴史上の人物に詳しい。サッカーが上手い。漢字が得意だ。先生・友人に褒められることにより、大好きなこと、大嫌いなこと、情熱をかたむけ熱中できるもの、を見つけていく。
これこそが学びなのではないだろうか?
学力とは、この学びに必要な情報収集能力、仮説検証を繰り返すための力、そして物事の本質を見極めようとする力、判断力、決断力、実行力のことだと私は思う。
テストで100点をとるためには暗記も必要だ。素晴らしい能力だ。しかしながら、いい国(1192)作ろう鎌倉幕府と年号だけを覚えた世代で、鎌倉幕府について目をきらきらさせて語る人は数少ない。「どうして?何故?君はどう思う?」という問いかけがない授業はつまらないからだ。
教職員の方は色々大変だろう。しかしながら、足許の対応のみならず、この機会に是非とも「学びとは何か?」を是非議論して欲しい。先生たちのリーダーシップなしでは、日本の教育改革は進まない。
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