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執筆者の写真篠原竜一 代表取締役社長

篠原金融塾 グローバルマーケット(週次)

新型コロナウイルスが世界経済にどのくらいの影響を与えるかを予測することは難しいが、小さくないことは確実だろう。引き続き世界的に感染拡大が続いている。エコノミストの中には、健康への脅威がなくなれば、反動で世界経済の回復は大きいと予測する向きもいるが、そういう議論をするのはまだ早い。


週次で比較すると、Dowは3,583ポイント安の25,409、S&Pは384ポイント安の2.954、日経平均は2,244ポイント安の21,143で越週した。VIXは40台とボラティリティは大きく上昇した。


週末に株式市場にショートカバーが入らなかったということは、アメリカ国内での感染はまだ始まったばかりで、週開けにはいよいよアメリカでも感染が広まると市場は考えているのかもしれない。


注目すべきは米国債市場だ。2年債は42bp金利低下の0.931%、10年債は31bp金利低下の1.163%とイールドカーブがスティープしながら大きく買われていることだ。尋常な買われ方ではない。FRBによる利下げが必要なほど米国経済に影響が出る可能性を示唆している。


機関投資家の多くはクレジット物(ローン、社債投資など)に投資しており、そのヘッジのフローが入ってきているのは確実だ。日本では、様々なイベントが延期、若しくは中止となっている。オリンピックを含め、イベントの準備には相当のコストがかかっている。イベントの延期・中止が企業経営に与える影響は甚大だ。保険で賄うことが出来るかどうかも疑問だ。何かがあれば確実に批判される日本では、イベント開催のリスクを思い切ってとる人は少ない。今後もこの動きは続くだろう。学校も休校。気のせいかもしれないが、繁華街・観光地は閑散としている感じがする。


「どうすれば良いのかわからない」不安というのは、地政学リスク以上に大きいのかもしれない。何度も言っているように、こういう時には市場リスクを縮小するしかない。どこかのタイミングで株は買い戻され、国債は売られるだろう。しかしながら、それがいつかがわからない状況の中では、シンプルなオペレーションが一番だ。


日本のリセッションは避けられない。グローバルに株式市場は更なる下値を試す展開になっても不思議ではない。


いよいよアメリカでは、FRBに利下げを催促するマーケットが始まった。

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