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執筆者の写真篠原竜一 代表取締役社長

篠原金融塾 グローバルマーケット(週次)

15日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、米経済が過去数週間に急激な悪化局面に入ったと指摘している(https://www.lamplightercstg.com/post/beige-book-04172020)。

アメリカ史上、過去最大のリセッションかもしれない。

何としても短期間にアメリカの経済を立ち直らさなければならない。経済的な問題が長引けば長引くほど、若い経営者、投資家、労働者が、投資に関してより悲観的になり、より保守的なポートフォリオを選ぶようになる。

そんな中、トランプ米大統領は、経済活動再開に向けた連邦政府のガイドラインの概要を発表した。ガイドラインは、経済活動を再開させる具体的な日付を示していないことに加え、各州に対しデータを基に判断するよう促しており、機能するのかという見方もあるものの、ひとつの「道標」が示されたことで人々の気持ちは落ち着く。

2週間で感染者数が減少傾向になれば、経済活動再開に向けた第1段階に入る。そこから感染者数の急増が見られなければ次の段階に進む。

ガイドラインは、各州の感染状況に応じて3段階に分かれているがかなり細かい。

第1段階では、厳格なソーシャルディスタンス確保を実施した上で、映画館やレストラン、スポーツ施設などの営業が再開可能に。バーは対象外。学校やデイケア施設の閉鎖も継続。重症化しやすい人の外出自粛や、高齢者介護施設や病院への訪問禁止を推奨。またオフィス勤務も可能だが、在宅勤務が好ましい。

第2段階では、不要不急の旅行が可能に。一部制限を設けてバーの営業も再開可能。学校なども再開可能。重症化しやすい人は引き続き外出自粛が求められ、高齢者介護施設や病院への訪問も禁止。在宅勤務を推奨。

第3段階では、職場に関する制限措置解除。社会的な接触は再開できるが、ソーシャルディンタンスは確保すべき。病院や高齢者介護施設への訪問も再開。バーも立ち飲みの人数を増やすことが可能に。

こういったガイドラインが作られたことを市場は好感している。米株に引っ張られる形でグローバルに株式市場は落ち着きを取り戻し、VIX指数も38.15と低下している。

債券市場を見てみると、米国債とドイツ国債金利が低下する一方、日本国債の金利が上昇している。当然ドル円、ユーロ円とも円高方向だ。FRB, ECBは出来ることは何でもやるという姿勢。日銀が更なる金融緩和策を打ち出せない限り、円高圧力は高まる。

気になることをあげればきりがない。イタリア国債の金利も上昇していることは引き続き気になるところだ。商品市場を見ると、原油価格安が止まらない。今週は金価格も下落している。

まだまだリスクをとりにいくようなマーケットではない。今後発表される経済指標を見ながら、市場の歪みを解消させる動きが続くものと思われる。出来ることはただひとつ。リスクの縮小だ。

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