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執筆者の写真篠原竜一

篠原金融塾 グローバルマーケットウィークリー 2/9/2024

思ったよりも米金利が下がらず、思ったよりも日本の金利も上がらない。


米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測が大きく後退、米国債利回りが上昇している。一方、植田日銀総裁は9日、大規模金融緩和の出口戦略について、現時点で見えている将来の経済・物価の動きを前提にすると「先行き、マイナス金利解除を実施したとしても、緩和的な金融環境が当面続く可能性は高い」と語った。


斯かる状況下、株式市場が堅調だ。日経平均は一時、34年ぶりに37,000円の大台に乗せた。米国株式市場は、S&P500が終値で初めて5,000を上回った。


欧米の金利上昇が終焉、ソフトランディングが実現することは素晴らしいことだが、私が気になっているのは、景気減速に対する懸念、想定以上に根強いインフレを懸念する向きがあまりにも少ないことだ。


また日本の政治状況は混とんとしているとしか言いようがないが、大丈夫だろうか?二階元自民党幹事長が代表を務める政治団体が3年間で約3,500万円の書籍代を支出していたことが問題になっているが、それよりも使途の公開が不要となっている政策活動費については、もっと問題だろう。野党は、幹事長時代の二階氏が自民党から受け取ったとされる、およそ50億円の使い道を問いただしている。


「政治活動費については、確認するまでもなく適切に使用されているものと認識をしております」と岸田首相は、国会で答えているが、岸田首相は、このような説明で国民が本当に納得すると考えているのだろうか?だとすれば、日本の政治が日本経済の足を引っ張ることがあっても押し上げることはなさそうだ。


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