篠原金融塾 グローバルマーケットウィークリー 7/21/2023
来週は日米欧の金融政策に注目だ。
米連邦準備制度理事会(FRB)のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は5.00-5.25%。市場は、FRBが来週(7/25,26)に追加利上げに踏み切ると考えている。こうした一連の利上げは、米景気の減速をもたらし、リセッションの可能性が高まっているというエコノミストが多かったが、アメリカでは、物価が安定し始め、賃金の伸びが2年ぶりにインフレ率を上回り、エコノミストたちもアメリカがリセッションに陥る確率を引き下げ始めている。
FRBにとっても決して悪いニュースではないはずだが、賃金の上昇によって消費者は以前より高額なモノやサービスを購入できるようになり、それがインフレを押し上げる要因となると考えており、利上げを実施せざるを得ない状況になっている。従って、FRBが利上げの打ち止めを宣言するのはもう少し先になりそうだ。
欧州中央銀行(ECB)理事会は、7/27に開催され、0.25%の利上げが実施されるというのが市場のコンセンサスだが、足許一番注目されているのは日銀金融政策決定会合(7/27,28)かもしれない。
日本の6月全国消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除く、コアCPIは前年同月比3.3%上昇、生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)は、前年同月比4.2%上昇する中、少なくとも長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正は必要だと思うが、植田日銀総裁は、先行き物価はここから低下すると考えており、金融政策の修正には慎重だ。残念ながら、現状維持の可能性が高い。FRB, ECBが利上げを実施する中、日銀決定会合で現状維持が打ち出された場合、円安が進むだろう。
株式会社ランプライターコンサルティングは、当サイトに掲載している情報の正確性について万全を期しておりますが、その内容について保証するものではありません。当サイトでは、信頼できる情報源から得た情報を、確実に掲載するようあらゆる努力をしておりますが、株式会社ランプライターコンサルティングは、間違い、情報の欠落、あるいは、掲載されている情報の使用に起因して生じる結果に対して一切の責任を負わないものとします。当サイトに掲載されている全ての情報は、その時点の情報が掲載されており、完全性、正確性、時間の経過、あるいは、情報の使用に起因して生じる結果について一切の責任を負わないものとします。また、あらゆる種類の保証、それが明示されているか示唆されているかにかかわらず、また業務遂行、商品性、あるいは特定の目的への適合性への保証、また、これらに限定されない保証も含め、いかなることも保証するものではありません。
Comments