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執筆者の写真篠原竜一

篠原金融塾 グローバルマーケットウィークリー 5/27/2022

4月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年同月比6.3%上昇した。伸び率は前月の6.6%から縮小した。FRBが物価の目安とする変動の大きい食品とエネルギーを除くコアPCE指数は前年同月比4.9%上昇と、2カ月連続で伸びが鈍化した。


これを受け、米株が大きく戻し、米国10年債利回りは6週間ぶりの低水準での越週。景気減速懸念やインフレがピークに達した可能性を示す兆候が見られるため、米連邦準備理事会(FRB)が現在予想されているほど利上げを行わない可能性があるとの見方が浮上してきたとの報道が多い。


年初来、米株は大きく値を崩し、米金利は大きく上昇してきたが、先週は、その流れがいったん止まったが、米株、米国債ともにベア相場は終わったと判断してよいのだろうか?


FRBは25日、連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(5月3、4日開催分)を公表した。議事要旨によると、6月と7月の会合でさらに0.5%ずつの利上げが必要だとの認識を示している。加えて、高水準の家計貯蓄により個人消費が想定以上に加速する恐れに加え、インフレ率の高止まりが家計や企業のインフレ期待を押し上げるリスクがあるとした上で、そうなれば、インフレ率を2%に戻すことは一層困難になるとの見方が示された。従って、FRBは一層中立的な金融政策スタンスへの移行を迅速に進めることが重要だと判断しており、市場参加者よりもインフレに対する警戒感は強い。


6月のグローバルマーケットも主要経済指標に注目が集まることになるだろう。ベア相場の終焉と言うにはもう少し時間が必要だろう。景気減速懸念vsインフレ懸念の綱引きから右往左往する展開が予想されるが、6月からはいよいよFRBによるバランスシートの削減が始まる。セカンダリー市場でFRBが保有債券を売却するわけではないが、償還分の再投資が大きく減額されることになる。このFRBによるバランスシートの削減が米国債の需給にどの程度影響を与えるかにも注目する必要があるだろう。





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