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執筆者の写真篠原竜一

篠原金融塾 日本、フランスの選挙 グローバルマーケットウィークリー 7/12/2024

アメリカの6月の米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比の上昇率は3.0%。変動の大きい食品・エネルギー分野を除いたコアCPIは、前年同月比3.3%上昇。第2四半期に入って、インフレ率が広い範囲で低下してきており、マーケットは、連邦準備理事会(FRB)による9月の利下げを織込んだといって良いだろう。引き続き今後の経済指標に注目。


ドル円が大きく動き財務省が為替介入したかどうかが話題になっているが、いずれにせよ、FRBが25-50ベーシスポイント(bp)の利下げ、日銀が25-50bpの利上げを年内に実施するとすれば、金利差は縮小するわけであり、足許円高に動く可能性が高いのでは?


今後は、マーケットの関心が金利差から株式市場の動向にかわるかもしれない。仮に、日経平均が4万円台の半ばまで上昇するとすれば150円割れがあってもおかしくないだろう。逆に日本株の頭が重くなってくるとすれば、年末に向けてドル円が高値を試す可能性もあるだろう。夏休みで市場の流動性が細る中、7月、8月の値動きは大きくなるかもしれない。


注目されていたフランスの総選挙、都知事選が実施された。


7日に決選投票が実施されたフランス国民議会(下院、定数577)の総選挙は、事前に議会第1勢力の座が有力視された極右の流れをくむ右派政党「国民連合(RN)」に代わり、左派の政党連合「新人民戦線(NFP)」が最大勢力に躍進した。


この結果、フランスの自由・平等・博愛の精神は守られることになるという声も聞こえてくるが、欧州委員会はフランスの財政赤字を問題視しており、新政権の政権運営が、保護主義、財政支出の拡大方向となれば、マーケットが混乱する可能性もあるだろう。


このフランスの選挙の仕組みは悪くないかもしれない。フランスの国民議会選は2回投票制で行われることに大きな特色がある。1回目の投票で特定の候補が単独過半数に満たなかった場合、上位3名による決選投票が行われるという仕組みである。1回目の投票で投票した候補者が2回目の投票に進めなかった場合、決選投票では別の候補者に投票することになる。民意を反映した候補が当選する確率を高めることができるわけであり、日本も導入を考えてもよいかもしれない。


東京都知事選挙は、現職の小池百合子氏が292万票(得票率42.77%)の得票で、3回目の当選を果たした。次点は、石丸伸二氏の166万票(同24.30%)、3位は、128万票(18.81%)を得た、元参議院議員の蓮舫氏。


仮にフランスの仕組みを当てはめて考えると、第2回目の投票までの1週間で様々な議論、調整が行われることになる。第1回目に自身に投票しなかった人を意識した3名の候補者による政策議論にもより関心が集まるだろう。


石丸氏については賛否両論があるが、これだけ支持を集めたわけで凄い人なのは間違いないだろう。勿論お会いしたこともなくどんな方なのかは私は存じ上げないが、感じが良くて、多くの人にあの人は良い人だと言われるが、何もやってくれない上司とあの人ってさあと文句を言う部下も多いが、様々なことを実現してくれる上司とどっちが良いか、ということではないでしょうか?ここからは全国区になったわけで、次の選挙では今回とは異なり、最も注目される候補になるわけで、その戦略もあきらかに変わってくるのではないでしょうか?


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