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執筆者の写真篠原竜一

篠原金融塾  グローバルマーケットウィークリー 8/4/2023

格付け大手のフィッチ・レーティングスが1日、米国債の格付けを最上位の「トリプルA」から1段階引き下げた。米国債は世界で最も流動性が高く、他のあらゆる金融資産の価値を決める元となるリスクフリーのベースになるものだ。格下げ後は米国債が大きく売られる展開となったが、その後落ち着きを取り戻したものの、前週比、10年債は、約9ベーシス・ポイント(0.09%)、30年債は約19ベーシス・ポイント金利が上昇している。


アメリカのデフォルトを真剣に心配している市場参加者は少ないかもしれないが、とても気になるニュースだ。アメリカは自国通貨で借入れを行っており、紙幣を刷れる限りは、意図しない債務不履行(デフォルト)に実際に陥ることはない。日本も同じだ。


しかしながら、金利上昇によって利払い費が増えると、財政を立て直す能力は次第に限られてくる。とても重要なことなのに市場参加者があまり気にしないことにより、事態はより深刻になる可能性が高い。日本も同じだ。いや、日本の方が明らかに深刻だろう。


米連邦準備制度理事会(FRB)は前回の連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%引き上げ、現状5.25~5.50%となっている。アメリカ政府が今回の格下げをどれだけ深刻に受け止めているかはわからないが、仮に財政を引き締めないとならないとなるとFRBによる利上げにはブレーキをかけることになるだろう。いすれにせよ米金利の上昇局面はそろそろ終盤を迎えていると言ってよいだろう。


日本国債の金利は、長期金利主導で上昇、イールドカーブは大きくスティープニングしている。10年債金利はいずれ1%を試すことになる。欧米金利の上昇はそろそろ終盤、日本金利の上昇はいよいよこれからだ。


私事ことで恐縮ですが、休暇をいただくので、8月は休載いたします。次号は9月になります。グローバルマーケットは、今後発表される経済指標に右往左往する展開が予想されます。そしてこの1か月が欧米国債金利の上昇懸念が払しょくされ、日本国債金利が上昇を続けることになれば金利差縮小が大きなテーマになるかもしれません。



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