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執筆者の写真篠原竜一

篠原金融塾 グローバルマーケットウィークリー 8/23/2024

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演を行い、インフレ率が2%まで持続可能に戻る道を進んでいるという確信が強まっていると述べた。


中身を見てみると、1)労働市場はかつての過熱状態が大幅に解消、インフレ率が2%を下回った2019年のパンデミック直前よりも逼迫しておらず、労働市場が近い将来、インフレ圧力の上昇の原因になるとは考えにくい。2)FRBは、労働市場の状況がこれ以上冷え込むことを求めていない。3)経済は堅調なペースで成長を続けているが、インフレの上振れリスクは減少、雇用に対する下振れリスクも高まっていると認識している。


そして、「政策を調整する時が来た。進むべき方向は明確であり、利下げのタイミングとペースは、今後のデータ、見通し、リスクのバランスに左右される。」と述べた。


この講演を受け、米国債は短期債中心に大きく買われ、イールドカーブはブルスティープ。米国株も底堅く推移。ドル円は円高が進み、144円台の半ばでの越週となった。


パウエル議長の講演から考えると、FRBによる9月の25ベーシス・ポイント(bp)の利下げは確実だろう。マーケットでは、50bpの利下げの可能性が議論されるだろう。


気になることがある。政治的にはグローバリゼーションの巻き戻しの動きが出てきているが、経済的なグローバリゼーションの動きは続いている。そんな中、FRB、欧州中央銀行(ECB)による利下げが行われ、日本銀行(BOJ)が追加利上げを検討している。日本と欧米の中央銀行の金融政策の方向が反対というのは久しく経験していない状況だ。経済のどこかに負荷がかかるものと思われ、当面の間、流動性の高いプロダクト、特に日本に関連する商品のボラティリティが上昇する可能性が高い。


オリンピック、夏の甲子園が終わり、そろそろ世界中の市場参加者が夏休みから戻ってくる。9月は、今後半年程度のグローバルマーケットの方向感を決める重要な月になるかもしれない。


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