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執筆者の写真篠原竜一 代表取締役社長

篠原金融塾 グローバルマーケットウィークリー 11/13/2020

好調な企業決算のほか、ワクチン開発への期待で株価は押し上げられている。何といっても米ファイザーが9日、独ビオンテックと共同開発する新型ウイルス感染症ワクチンの有効率が90%を超えたと発表したことが大きい。加えて、民主党のバイデン次期大統領の新型コロナ対策本部の共同議長が、感染抑制に向け全土で経済活動は停止せず、特定の地域に絞った対策に重点を置く方針を示したことも影響しているだろう。

また各国の中央銀行が慎重な姿勢を変えていないことも金融市場を支えている。パウエルFRB議長は引き続き慎重だ。新型コロナワクチンの臨床試験で良好な結果が出たことは好ましいものの、FRBと議会の双方が支援を拡大し、議会は追加の経済対策を打ち出す必要があり、新型コロナは経済の長期的な生産能力を損なう恐れがあると指摘している。ECBは12月に追加緩和を実施する意向を既に示唆している。

そうは言っても、市場は過度に楽観的になりすぎていると私は思う。金融政策で金融市場を支えることは出来ても景気を押し上げることは難しい。経済の先行きは依然として不透明だ。

アメリカでは、新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからず、カリフォルニア、オレゴン、ワシントンの3州が共同で、州外への不要不急の渡航を無期限で控えるよう勧告しなければならない状況だ。日本でも新規感染者が3日連続で過去最多を更新している。本格的な冬の到来前にどうやら第3波が来たようだ。

ヒトの流れを人工的に止めなければ、景気回復は続くはずだが、アメリカ、ヨーロッパのように部分的であってもロックダウンが実施されれば確実に経済活動は縮小する。

新型ウイルス感染症ワクチンが承認され、我々が接種出来るのはいつだろう?少なくとも年内に受けられる状況ではない。従って、足許は個々人の感染拡大防止策に頼らざるを得ない状況であり、皆が慎重に行動すれば経済活動にはマイナスだが仕方がない。感染拡大を喰い止めることが出来ずに、営業自粛要請、外出禁止要請などが発出されていまうと、より経済活動にはマイナスだ。

人工的にヒトの流れを止めるととんでもない不景気になることを学んだ各国当局。何としてもロックダウンは避けたい政策だ。


人工的に金融市場にカネを流し続けている中央銀行。このカネの流れが止まれば金融市場に悪影響が出ることはわかっており、やめられない。中央銀行のサポートを背景に、感染拡大報道にはナスダックに買いが集まり、ワクチン開発報道にはS&Pに買いが集まる。足許株式市場はグローバルに堅調に推移している。大きく調整が入るとの見方は少ない。しかしながら、実はとても微妙なバランスで成り立っているような気がしてならない。

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