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執筆者の写真篠原竜一

暇なときに 留学生の受け入れ

海外ではワクチン接種証明、出発前の陰性証明があれば入国できるケースが多いが、日本は大きく異なる。新型コロナの感染拡大防止策として水際対策を強化することは当然のことだが、一方で、日本の外国人に対する厳しい入国制限処置により、来日できない留学生が15万人もいるそうだ。これはこれで問題だ。


文部科学省は、2021年1月以降、原則停止とした「私費外国人留学生」に関し、大学等の受入責任者による入国者の行動管理を条件に入国を認め、2021年11月8日から運用が開始され、良かったと思っていたが、これまでに約6千人しか入国出来ていないという。従って、引き続き多くの留学生が日本へ入国することが出来ずに困っているということだ。


日本への留学生や研究者の中には日本企業に就職したり、定住する人もいるだろう。日本にとっては貴重な人材だ。しかしながら、そもそも日本に入国することさえできないのだから、日本に留学しようと考えていた学生・研究者の中には日本への留学を断念し、他国へ留学するケースが増えてきているそうだ。日本にとって大きな問題だ。


2022年春の日本留学について、スタンフォード大学が派遣中止を決めたそうだ。スタンフォード大学はシリコンバレーの中心に位置しており、スタートアップ企業への資金提供においてもその中心的な役割を果たしている大学の1つだ。そこで学ぶ学生たちが、日本に留学することで、日本の文化を学ぶとともに、日本の社会的課題を発見し、その問題解決をどのように実現するか日本人の学生と共に学ぶ。その機会を失うことは日本にとって大きな損失だ。一刻も早い再開を望みたい。一旦途切れてしまったものを再開するのは大変だ。Study abroadプログロムの中から日本という選択肢がなくなってしまえば、学生たちの興味が中国、シンガポール、香港などのアジア諸国、欧州、アフリカなどに向いてしまうのは仕方がないことだ。


最近、アメリカ・カナダの日本研究者たちが中心となって、日本への留学を希望する学生・研究者の入国を認めるよう求める請願書を日本政府に提出したそうだ。日本政府もその対応を進めているとは思うが、仮に交換留学制度停止の動きが広がれば、海外の学校への日本からの留学生の受け入れも減少するだろう。日本にとっては何としても解決したい問題だ。


水際対策は重要だろう。しかしながら、こんな状況でも日本で学びたい、日本で研究したいという人材の受け入れを拒否していては世界から孤立してしまう。


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