暇なときに 国家公務員にならない東大生、メガバンクが人気就職先 ~半沢直樹~
人事院は8月21日、国家公務員採用総合職試験の合格者を発表した。院卒者・大卒程度を合わせた総合職試験の申込者は16,730人で倍率は9.7倍、女性が合格者に占める割合は29.8%とまだまだ少ない。
大卒程度試験の申込者数は14,965人、合格者数は1,216人で、倍率は12.3倍。院卒者試験の申込者数は1,765人、合格者は501人で、倍率は3.5倍。データを見る限り、大学院を卒業したほうが圧倒的に合格率は高くなる。
総合職試験全体の出身学校別の合格者数は、国立大学1,138人(66.3%)、公立大学62人(3.6%)、私立大学507人(29.5%)、その他外国の大学等10人(0.6%)。
私が第一に注目したのは、「その他外国の大学等」が10人合格していることだ。今まで勝手に国家公務員になるためには日本の大学を卒業しないといけないと思っていたが、どうやらそんなことはないらしい。日本の大学・大学院からのみならず、外国で勉強した学生を採用している。素晴らしいことだと思う。
次に注目したのは、出身校だ。1,717人の合格者全体のうち、最も多いのは、引き続き東大出身者だが、昨年度と比べると、58人減の249人で、1998年度以降で最も少ないとのことだ。京都大学131人、早稲田大学90人、北海道大学69人、東北大学65人と続く。
国家公務員にならない東大生が増えているということだ。素朴な疑問。東大生はどういう企業に就職しているのだろうか?
東京大学新聞社が公表した2019年度卒業・修了者の就職状況によると、民間企業は、学部卒業者では三井住友銀行が、大学院修了者ではソニーがトップとなっている。
学部卒業者の就職先企業では前年度に続き三井住友銀行が最多で20人。続いて三菱UFJ銀行、PwCコンサルティング。そして、三菱商事、伊藤忠商事、住友商事、三井物産などの大手商社が上位にランクインしている。
大学院修了者では、ソニーが35人で1位。野村総合研究所、そしてトヨタ自動車が続く。トップ10には前年度13位のNTTデータや、前年度トップ20圏外から楽天、また学部卒と同様PwCコンサルティングがランクインしている。
東大学部生には、メガバンク、コンサルティング、商社が人気だ。一方、大学院生に人気の業界は、製造業、IT、コンサルティングとなっている。こうしてみるとPwCなどのコンサルティング業界に興味を持つ東大生が増えているようだ。
それにしても、学部生の人気就職先がメガバンクというのはとても興味深い。新入行員たちは日曜日の夜に「半沢直樹」を観たに違いない。半沢直樹部長からの以下のメッセージをメガバンクで働きだした東大出身のバンカーがどのように感じたか聞いてみたいものだ。
「仕事は客のためにするもの、ひいては世の中のためにするものだ。その大原則を忘れた時、人は自分のためだけに仕事をするようになる。自分のためにした仕事は、内向きで、卑屈で、醜く、歪んでゆく。そうなると組織が腐り、世の中も腐る。最初の敵はいつも自分自身。勝敗は時の運だが、決して自分の構えを崩すな。」
そして、中野渡頭取の言葉だ。
「どんな場所であってもまた、大銀行の看板を失っても輝く人材こそ本物だ。真に優秀な人材とはそういう者のことを言うんだろうね。」
誰もが夢と希望を持って社会人になる。誰もが優秀な人材であり、キラキラしている。新入行員・社員には、正義感と言う言葉がぴったりだ。今年は新型コロナで職場に慣れるのも大変だろうが、こんな時だからこそ、素敵な上司との出会いを通じて、素晴らしい社会人生活を送って欲しいと思う。
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